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思いやりの壁で奉仕を

クリスティ・クナイゼル 2020 年 02 月 24 日

自宅で不要になったものを寄付するのは、それを必要とする人の手に渡すための最善の方法です。そこで、インドのヴィシャーカパトナムを拠点とする、ヴィシャーカパトナム・ライオンズクラブは、グローバル・アクション・チーム(GAT)の支援を受けて、寄付された品物を「どこで」「どのようにして」ニーズのあるところにつなげるかという問題に対する独創性あふれる解決策を考えだし、地域で実行しました。

自分には不要になったものも、それを必要とする人は必ずいる

独創的な解決策を編み出す
この問題に答えることは第一歩にすぎませんでした。解決策を見つけることを使命と考えたクラブ理事のソニア・チョプラ・ジャインは、316A地区のゾーン・チェアパーソンであるK・V・ラオに連絡を取り、GATの協力を依頼し、どのような方法が可能なのかについてブレインストーミングを始めました。

解決策のヒントになったのは、イタリアはヴェネチアのコーヒーショップでした。そこでは、客が自分の分に加えて「壁の分」の飲み物も注文するという習慣があったのです。そうして注文されたコーヒーは、貧しい人がもっていけるよう「思いやりの壁」に置かれるのです。 

ニーズに応える
ヴィシャーカパトナム・ライオンズクラブは、この「思いやりの壁」のアイデアを採用し、地元で試してみることにしました。クラブ本部の建物のオープンエリアを改装し、壁を作りました。人々はまだ使えるものをそこに置き、それが必要な人はそっと持ち去ってもいいというスペースです。ここには防犯カメラも設置されておらず、物の持ち出しをチェックする仕組みもなければ、詮索する人もいません。必要なものがそこにあれば、簡単に手に入れることができます。人々がただ、ここに物を置くと、ほかの誰かが来て、それを持っていきます。

寄付品の実例としては、衣類、本、調理器具などの家庭用品、スーツケース、さらにはマットレスまであります。キャビネット幹事のナゲスワラ・ラオ・ロンガラは、物があふれかえったことのないそのスペースを見ながら、思いにふけるといいます。「自分には不要になったものも、それを必要とする人は必ずいる」のだと。

この壁の近くには病院が複数あり、入院する患者やその家族が、持参し忘れたものをここで手に入れることができるという利点もあります。パジャマやスリッパがそこにあった場合、救急で病院に搬送された患者や家族からは、特に喜ばれています。

地域社会に関わりを促す
ロンガラによると、彼らのクラブがこの壁の運用を開始してから1か月もたたないうちに、地域社会や他の奉仕団体で反響があり、困窮している人を寄付で支援しようという動きが広がったといいます。

この壁は、地域社会でヴィシャーカパトナム・ライオンズクラブの知名度を高めることにも貢献しました。このクラブが始めた「思いやりの壁」のニュースは、テレビや地元紙、さらには全国紙でも取り上げられたため、結果としてライオンズクラブ国際協会のイメージが向上しました。こうした事情と、ライオンズの献身的な活動、GATからの支援が合わさって、316A地区では会員増強の目標も達成しました。また、奉仕の道のりを歩み始めた大勢の新規ライオンズクラブ会員にとって、報道はよい刺激になりました。

皆さんのクラブで、GATとの協力の成功談はありませんか?   皆さんのストーリーを共有させてください。それが他のクラブの刺激になり、ストーリーの効果が別の地域にまで広がるきっかけになるかもしれません。


クリスティ・ナイゼルは、ライオンズクラブ国際協会のグローバル・アクション・チームでオペレーションスペシャリストを務めています。